2014年11月13日

第2回陵水亭懇話会報告


20141010_08yoshida1-640_480.jpg『陵水懇話会』は、従来の『陵水亭』に新味を加えて、陵水会員が気楽に集える場を提供しよう、と企画された会です。
その新味のメインが、会員によるミニ講演です。第1回目の講師は、大学8回卒の吉田正克さんにお願いして、2014/10/10(金)に開催されました。※第1回懇話会は、準備開催でした。

演題は「私の世界一周旅行」。
吉田さんは、2013年に「南極クルーズ」、2013年から14年にかけて「第81回ピースボート地球一周の船旅」に参加され、今回はその貴重な体験を講演していただきました。旅程は、南極クルーズが21日間、地球一周の旅が105日間という長旅です。吉田さんはこの長旅を充分に楽しまれた訳ですが、失礼ながらお年を考えますと、その強靭な体力と行動力には驚かされます。
 
 講演は淡々と進み、「ホーン岬からドレイク海峡を越えて南極半島を目指すのですが・・・」などと、高校で地理の授業を受けているような気にもなります。しかし、「数百メートルにも及ぶ白銀の氷壁を縫ってですね、南極上陸へとボートが進みまして・・・」と、話が佳境に入るころには、NHKの自然番組の画面が目に浮かび、臨場感が溢れて参ります。体験者の話は、『単なる物知り』のそれと違って強い説得力があります。

もう一つ興味深かったのが、地球一周旅行中の船内で企画された講座です。乗客それぞれが順に講師や座長を務めたそうです。船内で発行された新聞によりますと、社交ダンスからマジック教室など多岐に亘っています。その中で目を引くのが、停泊地での現地住民との交流会です。

吉田さんは、この交流会での話を二つ挙げられました。
一つ目は、ビキニ環礁での水爆実験です。アメリカによる実験海域で被爆した住民が、いまだに後遺症に苦しんでいること。
二つ目は、18世紀、モアイ像で有名なイースター島の島民が、奴隷として南米へと売られ、絶滅寸前にまで追い込まれたこと。後者については、平和を唱えるはずのキリスト教の布教が、なぜ西洋文明の尖兵となり、奴隷売買の拡がりへと繋がったのか、と改めて自問自答されたそうです。

今回の講演を振り返りますと、吉田正克さんの「世界一周旅行」が単なる物見遊山の旅行ではなかったことが、話の随所から窺われました。講師の好奇心に引っ張られて、後をついて行くうちに、見知らぬ地球の景観や文化を垣間見たような気がしてきました。

20141010_08yoshida2-480_640.jpgなお、左写真の右上は、世界有数のビジネス誌『Forbes』の表紙です。南極でペンギンと戯れている、赤い防寒着の日本人こそ我らが吉田正克さんです。

しかし、というか勿論、そんなはずはありませんね。これは、吉田さん自らがコンピュータで作成された合成写真です。コンピュータは得意ではなかったそうですが、前述の船内講座で技術を習得され、大それた作品を完成されたわけです。旅の成果の一つです。
ちなみに、一番下の作品は、北極熊を南極で発見した、というものです。発見者は? もうお分かりだと思います。
米澤正治(大25)

posted by オケ at 13:07 | Comment(1) | TrackBack(0) | 名古屋支部のNEWS
この記事へのコメント
大23の太田と申します。
懐かしい思いで興味深く読ませていただきました。
私もピースボートの第78回地球一周の旅に参加し、
南半球の国々を中心にまわり、南極にも行って
きました。南極はまさに別世界で、感動の連続
でした。船内での出会いやイベントなど毎日が
新鮮で楽しい日々を過ごしました。
普通の旅とは全く違う経験の連続で、
人生観がかなり変わったように思います。
参加して本当に良かったと思っています。
皆様もぜひ。
Posted by 太田 昭憲 at 2014年11月16日 13:30
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